YouTuberみたいなタイトルになっちゃいましたけど(笑)
今回は、アスペルガーの夫がどうやって、どんな方法で、どんなマインドを持って変わったのか。
白か黒かの我がアスペルガー夫の頑張りを、ここに記しておきます。
ここに至るまでの経緯と私の葛藤
約1か月ほど前…
何も喧嘩もしていないある夜、娘が寝た後で「離婚したい」という話を静かに淡々としました。
その時夫は先の記事でも書いたように、「変わるから!絶対に今回こそ変わるから!最後のチャンスをくれないか?」と言っていました。
その話し合いの中では私は返事をすることはなく、自分の離婚への意思が固い事を伝えました。
- 今回は怒りに任せて「離婚だ!」と言ってるわけじゃない事。
- これまで何百回も変わるチャンスはあったけど変わってこなかった事。
- どうせまたほとぼりが冷めたら忘れてしまうと私は学習した事。
- 私をここまで「無」に追いやって、全ての感情を押し殺して生きて行かなきゃいけないことに疲れてしまったこと。
- そしてこんな冷たい心を持った自分が大嫌いなこと。
・・・このままだと本当に離婚されてしまうんだと思った夫は、次の日から本気の努力をし始めました。
どうせすぐに終わるだろうと思ったんですけど、今現在まだ続いています。
もちろん特性で仕方ない部分もあります。
…ここが私のものすごい悩みどころでした。
特性なんだから仕方ない部分もある。でも仮にそこをできるだけカバーできたとして、でも元々彼らがやりたくても出来ない「心の共感」や私が一番欲しかった「気持ちに寄り添う」という事は一生できないわけじゃないですか。
あくまで共感してるように見せかけたとしても、それは彼らの「パターン記憶による演技」であって私が求めた本物ではない。
そこを自分の中で納得させられるのかっていう事。
でも、治せるところは治そうと必死に頑張っている彼を見て、私は最後の覚悟をしました。
もう一度夫を信じて、思いっきり傷付く覚悟を。
どうせならちゃんと傷ついて別れたいなと思って。
夫は本気で頑張った。私はその言葉を信じてみた。でもやっぱり駄目だった・・・となればそれはそれでお互い離婚することに納得できるだろうと思ったからです。
アスペルガーは「自分の困り事」になった時、ようやく重い腰を上げる
これ考えるとほんっとに腹立ちますけどね(笑)
これまでの再三訴えていた事、私の涙や心の叫びは全く彼の心には届いていなかったんだなと再確認することができました。
アスペルガーは、「大事な人の苦しみ」でも動かない。
「自分が離婚されそうだから」動くんですよね。
前回の記事と重複しますが、ほんっとこれ痛感しまくりでした。
その時「変わるから」と言ってもその場しのぎ。すぐ忘れちゃう。
喧嘩の延長での訴えだと夫は妻の言いたいことをあまり理解できていない上に、夫の中で「もう妻に謝ったしこのことはおしまい!」とTODOリストが達成され、リセットされていたんでしょうね。
また、喧嘩をしていない時にお願いをしたとしても、まずアスペルガー夫は苦情を聞く耳を持っていませんから完全にスルーされていました。
つまり、これまで300回ほどの喧嘩で訴えてきたことは、夫の中に何も残っていなかったという事なのです;;
今回、私がすぐに離婚を見送る返事をしなかったこともポイントになったのかなと思いました。(未だに返事はしていませんが)
いつものように「はいはい、わかったよ。約束したんだからちゃんと変わってよ!」とすぐに許す?ような発言をしてしまっていたら、「自分の困りごと」に発展することはなかったでしょう。
アスペルガー夫が激的に変わった事
家事を徹底的に手伝う
これ、前回から引き続きずーっと続いています。
この本を読んで長年の謎が解けたんだ!!と興奮していた夫は、せっせと家事を手伝うようになりました。
夫が説明してくれたのは、こういう事でした。
これまでずっと疑問だったんだ。
どうして俺は外で働いているのに、家にずーっと専業主婦でいるひかりちゃんは俺に「家事を手伝わない」と不満を言うのか。俺の事を何もしないと言うけど、それって俺が外で働いていることは無かったことになっているよね?と思っていた。
でも初めてこの疑問に納得できる答えをくれたのはこの本だったんだ。
「夫と妻は共同経営者のようなものなんだと。
あなたは内勤勤務でものすごく忙しい。到底終わるような仕事量ではなく、寝る時間も食べる時間もほとんどない位ずっと働かなきゃいけない。
そしてもう一人の仲間が外回りの営業だったとして、仲間が営業から帰ってきて疲れた疲れたと、自分の仕事が終わったからと言って忙しいあなたを横目に寝っ転がって休んでいたらどう思う?」と。
なるほどー!!と思ったんだよ。何かが頭の中に降ってきたようなすごい衝撃だった!!
~夫の話より
私はこの本を1文字も読んでいないので(笑)、実際本当にこんなことが書かれているのかは知りませんがwww
とにかく彼はこの本を読んで、妻の家事を手伝うという事に全く抵抗が無くなったそうです。
そして、自分なりのルールを作り、家事を手伝う事が永遠に苦痛じゃなくなるよう、工夫し始めました。
※一応誤解の無いよう書いておきますが、私は夫に家事をしまくって欲しいわけではありません(笑)
実際は1か月の間に数回しかないです。でも、「やろう!」と思ってくれたその気持ちが嬉しいんであって、もうそれはやってもらったも同じなんですよね。
マイ掃除機、ダイソンのコードレスのやつを購入する
機械が大好きな夫は、家に掃除機があるにもかかわらず、新しいマイ掃除機を購入しました(笑)
うちの掃除機はコードを差し込む紙パックタイプのやつなので、それをいちいち出してきて線を伸ばして・・・ってやるのがめんどくさくてやる気がなくなりそうだからと事前に対策したそうな。
なので、やるぞ!と思った時にすぐに外して掃除ができるよう、自分の部屋に掃除機を置くようになりました。
最近たまにウィンウィンどでかい音を鳴らして家じゅうを掃除してますw
洗濯物を干すときは夫専用のワイヤレススピーカーでお気に入りの音楽を流す
これまた機械で解決してる気がするけどw
これ(笑)
たかだか5,000円で楽しくルンルン干せるならいいじゃないか!と思い買ったらしい・・・
形やルールを作ることから入るのは実に夫らしいけど、これで自分が変われるならと頑張ってるんだからなんか微笑ましい(笑)
言われなくてもやるようになったこと
「ゴミ捨て」が晴れてルーティーンに昇格!
これ、これまでのアスペルガー夫からしたら奇跡!!なんですけどね。
結婚してから何度も言い続けて、やってくれたことなんかなくて、頼んでも嫌な顔されて大きなため息つきながら言い訳して、それでもやってくれなくて喧嘩になってた。
毎度意味不明な戦いをずっとしていた内容である・・・「ゴミ捨て!」(笑)
彼の中で、ゴミ捨ては毎日俺のやること!と決めたようです。
うちはマンションなので、家の中にあるゴミはなんだっていつだって捨てられるんです。
ペットボトル、猫の餌の缶、ワインボトル、燃えるゴミ、段ボール。
いつもいつも、外に出る時に何かしら毎回持って行ってね!と1000回は言ったと思うんですけどほぼ実行されることはありませんでした。
頼まない限り、絶対に自分からやることなんてなかったんです。
でも!!!
今回、彼の中でようやくゴミ捨てが「ルーティーン」に組み込まれることになりました(祝)
あああ、ほんっとに長かった。
今朝も「なんでこんな簡単な事、やってあげなかったんだろう」とつぶやいていたけど、そう思ったあなたはかなり頑張ったよ!!!
すごいよ、本当に。
持ってとお願いしていないのに荷物を持ってくれる
あの、アスペルガーは意図していないのにDV気質があるという記事を書いたあの日は、記念日であるにもかかわらず、荷物を夫の大きなカバンに入れてくれるのを嫌がり、頼んでるのに睨まれ、「は?無理!」と怒ってスタスタ歩いて行ってしまったのに。
一昨日は家族で出かけている最中、しかも混雑している駅のホームで!!娘が腕が痛いと泣き始めたので見てみようとしたら、何も言わずに手が出てきて、私の荷物を持ってくれました。
あり得ますか??
私には考えられないんですけどw
これだけでジーンとして、涙が出そうになりました。
どういうこと?
どこで学んだ?!
どっかの本に書いてあったか???(笑)
共感の言葉、方法を学習した
「学習」って言う言葉が一番しっくりくるところが若干悲しいけど(笑)
最初は「わかるよ」とか言われてもどうせマニュアル通りの言葉を言ってるだけでしょ!!と思っていたのですが。
でも、実際自分が一番苦しんでる時にかけられたこの言葉に、例え定型の考えるような気持ちが込められていなかったとしても、今の私には十分すぎる癒しになりました。
また日を改めて書こうとは思っているのですが、今娘の特性による悩みが色々あって幼稚園でも更にめちゃくちゃ追い打ちかけられていて、一人苦しみもがいていたんですね。
本当に、夫との離婚問題を隅に追いやりたい程悩んでいました。
そしたら今必死に話を聞くモードの夫に話したら、
「そうか・・・それは苦しいね。気持ちわかるよ。今までこんな悩みも全部任せっきりにしてごめん。もう一人で抱えなくていいからね。」
って言われて。
2度も本当に泣きそうになってしまいました。
えっと・・・「誰か、あなたの体に憑依した?」と思うほどの言葉でした(笑)
今、ふとこうなるに至った原因があったのかもしれないと思い、夫の部屋で彼が読んだと思われる本を見つけました。
この本の65ページ「9 女性はなぜあんなに複雑なのですか」というところに折り目がついていました。
今、夫の部屋で立ち読みしてきて即座に涙腺崩壊。
・・・ああ、大ビンゴだ。
夫はこれを読んで、自分の思考パターンに整理をつけて私への対応を変えたんだ。
これ、全てのアスペルガーの人が読むべき本だと思いました。
これまでたくさんの本を読んできたけど、これほどアスペルガーの思考に寄り添いながらアスペルガーを否定することなく、上手に軌道修正させてくれる本はないかもしれない。
本気で妻との関係を修復したいアスペルガーの人は、これを読んでみてほしいです。
自分の取ってきた行動が、どうして妻をここまで追い込んだのかを理解できるはずです。
※それから、この本によってアスペルガーの思考もかなり勉強できました。
だいぶわかってきていたつもりではありましたが、まさかここまでこんなところでもこんな風に考えるのかー!!と具体的に学ぶことが出来ました。
正直、思っていた以上でしたw
アスペルガーの行動を、定型の「常識」に当てはめちゃうから「ありえない!!!」となるんであって、実は彼らの脳内ではこんなことが起こってるんだと知ることができ、私は少し楽になりました。
アスペルガー本人にも、カサンドラ側の心の健康にもいい本だなと思いました。
部屋にこもる時間を極力減らし、子供と遊んでくれるように
自分が引きこもりすぎて、5歳の娘もおかしくなってきたのもあり、時期的にも良かったのかもしれないけど。
とにかく引きこもりだった毎日から、積極的に部屋から出てきてお話したり遊んでくれるようになりました。
テレビや携帯ばかりを娘に渡し、いつも隣で寝ていた夫とは思えないほどの変貌ぶりです。
それから、会社のパパ友を作り、一緒に娘を連れて子供とパパとで出かけてくれるようになりました。
子供と、別のコミュニティーを作ることで自分との特別な時間を持つことが出来るようになったのです。
アスペルガーの父がいると子供もカサンドラになってしまうという記事を書きましたが、この行為から娘の心が安定してきているのが目に見えてわかるようになりました。
特性から出来ない事、パニックになることがあった時の対処
どうしても、ワーッと一気に言われたり、急な予定変更や追い立てられたりするとパニックになります。
でもそういう時はいつも暴言をぶつけて私たちに壁を作り、その状況から孤立することで夫は自分を保ってきました。私と娘は何度となく嫌な気持ちになってきました。
しかし今は、自分自身でゆっくりと、落ち着かせるように
「ごめんね、こういう風な時どうしてもパニックになってしまうから、少し待ってね。」と深呼吸をして時間を置くか、一度その場を去って煙草を吸って一呼吸入れて戻ってくるようになりました。
これについては、アスペルガーの専門医からのアドバイスもあったそうです。
嫌だと言われたことはやめた
こんなこと、人として当たり前のことなんですけどね(笑)
アスペルガーは、基本的に何度も嫌だ、やめて欲しいと訴えても止めませんからね。
なんであんなに言ったのに、「本当に嫌だとは思われていないと思っていた」なんて言えるのか、理解に苦しむほどですが、今回やっと色んな専門家や本に助けを求めて、
「奥さんが嫌だと言って言っていることはやめなさい」
と言われてやめることにしたそうですww
アスペルガーが専門家のいう事は聞きやすいとは知っていたけど、それに加えて自分の困りごとにならないと止められないんですね。
めんどくさいなぁ、もう。。。><
いやいやいや、もう同じこと何万回も言ってきたわ!!!
遅いんだわ!!!
やはり、思っていた以上にこれまでの訴えは全く彼に届いていなかったんですね・・・
今一番必要な事は何か、そしてその方法を考える
これは臨床心理士の人から言われたアドバイスだと言っていましたが、
「あなたは奥さんと関係を修復したいんですよね?二人の共通点は何ですか?」
「食事の趣味が合う事です。」
「なら、お金がもったいないからといつも同じ安い食事をするのではなく、デートしている時のように少し高級な所でも違う場所に連れて行ってあげたらどうですか?
お互いの距離を縮めるためには、二人の好きな事に時間をかけるべきです。」
と言われたと。
学費がどうのこうのとか、お小遣いが足りないとかそういうのは一旦おいて、今、一番しなければならない事にフォーカスしてその他の事を我慢しても2人の事に時間やお金をかけることをしてみたらいいと。
これまでの関係から、奥さんは喜ばないかもしれない。
でも、それでも無駄だからとさじを投げるのではなく、やってみてくださいと。
自分の趣味に好き放題お金を使って全然貯金をせず、いつもお金がない!お金が無い!と言っていた夫は、私との食事にお金をかけるようになりました。
この臨床心理士の予言通りwブスーっと食べている時もありますが(笑)、それでもこの「気持ち」は嬉しいと、能面だった私の心が少しずつ解け始めたのは事実です。
例え、これでまたこの努力に終わりが来てダメになっても、私は大丈夫。覚悟はできてるので。
ずっとオンモードで、休まることが無くても大丈夫なのか?
夫は頑張りすぎていて、疲れちゃうんじゃないか?とすごく心配になり、聞いてみました。
すると、
「大丈夫。疲れないように頭の中でこれらの事は楽しい事で、嫌な事ではないという風に”仕分け”してあるから。ひかりちゃんと娘ちゃんを失う位だったら、永遠に仮面かぶり続けて疲れてもいい。でも、どうしてもいっぱいいっぱいになって限界になったら、少し引きこもらせてね。」
ほぉ・・・
なんか、忙しく動き回って色んな専門家に会ったり、アスペルガーのワークショップみたいなやつに参加してきたり、本を読み漁ったりしていましたが、本気になればちゃんと吸収するようですね。
ちゃんとその意味はあったなと思えます。
おわりに~これからのこと
離婚したいと本気の話し合いをしてから約1か月。
まだまだどうなるかはわかりません。いつ爆発するのかもわかりません。
でも、彼は最後の頑張りをみせてくれています。
私は信じてみようと思っています。
でもやっぱりどうせまた裏切られるんだろうなという思いはあるので、いざという時の準備はしておこうと思っています。
このカテゴリーでは、離婚までの道のりを記録していくつもりで作りました。
でも、いずれそうなるかもしれないけど、こういう「とりあえず」の寄り道があるのもリアルでまたそれはそれでよしと思っています。
私と同じように、離婚したくてずっと悩んでいるカサンドラ仲間は多いと思います。
私は尊大型アスペルガーの夫と10年暮らしてきてその想像を絶する過酷さを十分理解しているつもりです。
ただ、一言に離婚と言っても思うようにスッパリとはいかない。
別れても良し、とりあえずの頑張り期間を眺めてみるのもよし、外で楽しい趣味を見つけて過ごすのもよし。
今回こうやって離婚しよう!!!って真剣に考えてぶつかってみた結果、思わぬ方向に行って迷っていた時、多くの仲間達が本当に温かいコメントを沢山くれました。
離婚して、良かった人、後悔してる人。
離婚せずにいて、良かった人、後悔してる人。
どの仲間の思いも、きっと私の中にある気持ちです。
「どのように道を選んでもいいんだよ」ってやっぱり言われてるようでした。(してはいけない事なんて、何一つないんだよという記事はこちら)
みんな、それぞれ違う家庭で違う人だから、それぞれの選択や迷いがあっていいと思っています。
誰かの言葉に流されて決断するのはもうやめたいと心から思っています。
正直私は、夫への情が優位で結婚しました。彼が泣いて懇願してくるから、別れられなくてここまできました。
いつも誰かの強い思いに流されて生きてきました。
でも、今度は自分で決めたいなと思ってるんです。
自分の人生、誰も責任を取ってくれない事もよくわかったし、未来の幸せは今の自分の選択にかかってることも身に染みているつもりです。
だから未来の私へ、別れることにも、継続することにも、何にも誰にも罪悪感を持たずに選択していいんだと、強くここに刻んでおきます。
今回も、最後まで読んでくださってありがとうございました。
フラフラしている私のブログをいつも応援して下さる優しい読者の皆様へ、心から感謝致します。