娘はとても育てにくい赤ちゃんでした。
生後2か月から何かおかしいな?と思っていて、不安でたまらなくて、ただでさえ眠れないのに夜中もずっとネット検索して毎晩泣いていたのを覚えています。
全く手伝ってくれない、気持ちのわかってくれないアスペルガーの夫に打ちのめされながら、娘と一生おしゃべりできないかもしれないと思って辛くて辛くて、本当に身も心もボロボロでした。
あの頃私が夜も寝ないでネットを検索し続けたのは
”こんな症状があったけど、その後普通に育っています!”
という記事を見つけたかったから。
発達障害のお子さんを持つお母さんたちの話を聞くと、みんなそれぞれ違うんだということがわかります。
でも、同じような感じの子を探したいんですよね。
そして、その後どうなったのか。
だから、あの頃の私と同じように不安で仕方ないママたちのために、娘のことを書き残そうと思います。
「発達障害でもいい。愛している事には変わりない」ってちゃんと受け入れられるようになるまで、辛いですよね。
その気持ち、心の底からよくわかります。
妊婦時代~とんでもなく重たいつわり
今考えても二人目なんて絶対に無理、耐えられる自信がないと思うほどの激しく重いつわりでした。
例えるなら激しい船酔いや、超ひどい二日酔いが10カ月丸々続いている状態です。
何度も、だれか私を〇ろしてくれないかなと思っていました。
分娩代の上でも10回以上吐いていました。
ずっとつわりが続いていて、緑、黒、黄色、いろんな色の苦い体液をたくさん吐きました(笑)
(つわりがひどかったかなんてのは参考にならないかもしれませんが、私ほどひどい人が周りにいなかったので、もしかしたら関係あるかも?と思って書いておくことにしました)
新生児の頃の様子と、全体的にどんなあかちゃんだったか
・あかちゃんって、手のひらに指を置いたりするとギュッとつかむものだと思っていました。
でも、うちの娘はあの反応が全くありませんでした。
(これに関してどれだけネットで調べても、同じような例を見つけることはできませんでした。)
・笑わない(こちらの笑顔に対して笑わない子でした。反射的にも全然笑わなくて、ずっと寂しかったです。半年位して、”音が鳴って楽しい”とか、自分の興味のあることで笑うようになって嬉しくて涙がでました。)
・とにかく寝ない。昼も夜中も本当によく泣く。
・授乳回数23回とかで、ずっとお乳を飲んでいました。(激しく泣くから)
・”フロッピーベイビー”と言われた。日本語で”ぐにゃぐにゃ児”というそうです。赤ちゃんの頃は特に関節をどっちに曲がるか全然わからなくて、筋肉があまり育たない感じの印象がありました。
今も、同じ4歳の子供たちから比べたらかなりふにゃふにゃしています。
腕の関節がとても柔らかく、2歳までに自分で転んだりして3回”小児肘内障”になりました。
(それも、関節がフカフカすぎて?戻すのが難しく、大きな病院でもちゃんと腕がはまるまでに1週間もかかったりしました。)
・指におかしな力がずっと入っていて、変な手をしていました。
(これもずっと心配していましたが、6カ月位の頃におもちゃを持つ練習を始めたら治りました)
・本当によく熱を出す子でした。
2~3か月に1度は40度以上の熱を必ず出していました。
生後2カ月、おや?と思ったきっかけ
娘は完全母乳で育てていて、それはそれはお乳をよく飲む子でした。
でも突然右のおっぱいを拒否され、私の右乳がバンバンになってしまって困り果ててネットで”片方のおっぱいを飲まない”とかで検索したのがきっかけでした。
…すると、
「授乳をする時は携帯やテレビを見るのはやめて、赤ちゃんの目をしっかり見てあげましょう!」
とか書いてあるのです。
え?
目を見る?
これにはとても驚きました。
私はずっと娘がおいしそうにおっぱいを飲んでいる姿を見つめてはいましたが、彼女が私を見てくれることなんて一度もなかったからです。
それで、次に
「赤ちゃん 授乳中 目が合わない」とかで検索したら、
発達障害!!!
と出てきて、その事実を知った感じでした。
生後3~4カ月、寂しい毎日
このころ辛かったのは、とにかく意思疎通が全くできない感覚だったこと。
・呼んでも反応なし、無視
・基本、泣き叫んでる
・抱っこしてどんなに目を合わせようとしても絶対に合わない。
ちょっと笑っても、それは私や周りに対してではなく、自分自身で完結する一人笑いで、私は彼女には見えていない透明人間みたいな気持ちになって寂しかったです。
私は娘を抱っこして一人でずーっと童謡を歌っていました。
1日最低30曲は歌いましたね(笑)
私はここにいるよ、気付いてねという気持ちと、寂しい気持ちを紛らわすために。
生後半年頃の様子と、周りの赤ちゃんと比べて
相変わらず全く目が合わない。
何度大声で呼んでも振り向かない。
でも、耳が悪いわけではないのです。
私は同じ産院の友達がたくさんいて、よく赤ちゃんを連れてみんなで遊んでいました。
他の子と比べちゃいけないってわかってるけど、どうしても比べちゃって辛かったです。
なんでうちだけこんなに無表情なんだろう?
なんでコミュニケーションが取れないんだろう?
あやしても笑わない。
他の赤ちゃんはあんなにニコニコしておとなしいのに。
どうしてずっと泣いているの?
と、ほかの子と比べて毎回悲しくなっていました。
あまり反応しないうちの娘には、ほかのママ達もあまり話しかけたりしなくなって、それが更に悲しかったです。
しかしそれとは裏腹に、順調に身体的な発達はしていて
・授乳回数が7回位に減った
・うつ伏せで手の届かないおもちゃを取りに少しずつ動きはじめ
・一人で座れるようにもなったし
・バ、バ、パ、パと言えるようになったりもした。
生後9カ月、市販の離乳食は絶対に食べない
赤ちゃんなのにとてもグルメでした。(笑)
市販のごはん、市販のミルク、私は絶対に飲みませんから!という強い意志を感じました 😎
レトルトの離乳食をあげようものなら、口に入れた瞬間におえ~っとすべてを吐き出していました。
なので娘は100%私の手作りごはんと完母で育ちました。
この頃から、少しずつ心が楽になります。
相変わらず目は合わないし呼びかけにも無視。海に連れて行けば砂が足の裏につくことを嫌がる。(感覚過敏)
でも、本人は一生懸命タッチ(立つこと)の練習をして少しできると喜んで、ぱちぱちと手をたたいて喜んでいます。
私自身、娘が発達障害かも?という気持ちを受け入れ始めた頃でした。
-
どんな子だったとしても、私と血のつながった子。
-
愛しい子には変わりない。
-
この子が発達障害だったとしたら、早く気づけて良かったじゃないか!療育を受けさせてあげられる、自分の対応を考えられる。
-
私のこの子に対する人生の最終目標は、”会話ができること”に決めた。
-
他の子と比べない。
自分の気持ちが娘のグレーゾーンを受け入れてきたのを感じました。
1歳の様子と、健康診断
この頃の母子手帳には、たくさんの成長の記録が書いてあります。
・葉っぱなどをみて指さしするようになる。(でも、指の先を目で追えない。これは今もまだ苦手です。)
・ママ、マンマン、ネンネと言う。
・スプーンを口まで運べてうれしそうにしていた。
・1歳と2週間 今日、おぼつきながら4歩歩いた。
・本の読み聞かせが大好き。本を食べる(笑)
でも、
・笑顔に笑顔で返してくれない
・対ヒトでのやり取りが少ない
・耳掃除を極端に嫌がる(感覚過敏)
・相変わらず目は合わない、寂しい。
とも書いてあります。
区で行われる1歳検診に行ったときに相談しましたが、まだ1歳じゃわからないと言われました。
でも、母ってずっと子供といるんです。
その時ちょっと見る医者とは違って、一番小さな変化も気づくのが母です。
母は一番の主治医なのかも?とこの時思いました。
私は「発達障害です」と言われたいわけじゃない。
むしろ言われるのは怖い。私はその事実を受け止められるのかな。
でも、もしそうなら早く療育を受けさせてあげたい。
その頃はそう思って葛藤していました。
同じころ、仲良しのママ友と出かけたある日。
私は「この子本当にあんまり笑わないんだよね~」と彼女に言うと、
「え、ほら、笑ってんじゃん!」
と言われた一言にものすごくカッチーンと来たのを覚えています。
彼女からしたら、そんなことないよ、大丈夫だよって言ってくれようとしたんだと思うんですけど、その頃周りと比べて疲弊していたわたしにとって、
”よく笑うあなたの娘はいいよね”
と卑屈な思いがあり、上からものを言われたような気持ちになってムカついてしまったのでした。
1歳半頃の様子と、フロッピーベイビー
発達障害かも?なんて気にして一番かわいい時期を疑って過ごすなんてもったいない!と思い始めてからはある意味吹っ切れて楽しく育児ができるようになってきました。
だって、今はどうせ診断つかないんだもん!と。
名前を呼ぶと手を挙げてくれるようになったり、言葉も20単語位出てくるようになりました。
近所の保育士さんから、「この子はフロッピーベイビーだと思うよ」と言われ、その存在を知りました。
この頃ネットで調べていたら、発達障害と知らずに大人になった女の子のブログを発見。
彼女は小さいころ、しっかり座ったりするのがとても苦手で、いつもゴロゴロ寝ころんでいて自分はぐうたら人間なんだと思っていたけど、実は発達障害の人は体の筋肉が発達しにくいことがあるらしく、それで自分はどれだけ筋トレしても筋肉がつかなかったんだ!と納得できたという記事を見つけました。
もし、同じようなお子さんがいたらこんな記事も見つけたのでご参考までに。
娘は抱っこしてもしがみついてくれることがありませんでした。
それも、この低緊張?フロッピーベイビー?が原因だったのかもしれません。
のちに、娘が恵比寿の厚生中央病院に行ったときに、このフロッピーベイビーと脳の研究はまだまだ症例が少なくデータを取らせて欲しいと言われたのですが、この年で電磁波浴びまくって検査と経過を観察されることに抵抗があった私はお断りしました。
2歳の頃、イヤイヤ期
イヤイヤ期はひどすぎました(笑)
周りのママ友から、
「もし娘ちゃんが自分の子供だったら、耐えられなかったかもしれない。窓から投げたかも」
と何度か言われたほどでした。
でも私は、どれだけ呼び掛けても無視され、いないものみたいに過ごしてきた日々を思えば、少なくても嫌がられてるけどコミュニケーションを取れることの喜びもあって、仏のようだねと周りから言われるほどうれしかったです。
覚えは悪い(特に人の名前)けど、娘は優しい子でした。
大好きなミカンも、最後の一粒を残しておいて半分こしてくれたり、人にものを貸せる子でした。
筋肉は相変わらず発達がゆっくりで、足はびっくりするほど遅いけど、ジャンプができるようになったり追いかけっこをして遊ぶようになりました。
相変わらず目も合わないし呼びかけもたいてい無視だけど、人と関わることは大好きで、一緒に遊びたがりました。
3歳~半年間の癇癪と習い事のこと
突然来たすごい癇癪。
人のおもちゃを奪う、絶対貸せない、場所も変われなくて。変なこだわり。
癇癪を起こすと手が付けられなくなりました。
虐待で通報されるんじゃないか?と思うほど家の中で泣き叫び続ける娘。
この頃は2歳のころのように”嬉しくて笑っていました”なんてことは到底ありえなくて、私も一緒に叫んでいました(笑)
それも半年間位で落ち着き、3歳半頃にはまた優しい娘に戻っていました。
「もしかしたら、発達障害かもしれない」
と早くから疑っていた私は、万が一そうだったら特技を身に着けておいた方が後々役立つかもしれない。
と考えた私は、
・1歳10カ月から英語
・2歳半からピアノ教室
・3歳から公文
を習わせ始めました。
言語は勉強しなくても自然と身につく年からしておけば、最悪勉強ができなくても海外に行けたり通訳になれるかもしれない。
0さいからずっと歌っていた私は、音楽に興味を持つかもしれない。
勉強も好きかもしれない。
とにかく、気が付いたら自然と覚えていたと思えるほど小さいうちからやらせておきたかったのです。
夫は5歳になったらプログラミングをさせたいと言っています。
これは発達障害かどうかはさておき、これからの時代
英語とプログラミングさえできれば生きていけると思うからです。
ちなみにこちらは私も体験に行ったことのあるLITALICOさん。
発達障害についてとても詳しい専門のスタッフさんがいて、安心して任せられます。
普通の幼稚園に無事入学できてしまったのでその時はとりあえず保留にしたのですが、もし発達障害だったとしてもしっかりと対応してもらえる習い事としてはおすすめしたいです!
みなさんとても丁寧で優しかったので、お子さんに合えばやらせてあげてもいいんじゃないかな?と思います。
習い事の現在の状況
現在、英語は聞き取りはほぼできています。
話すのは、日本でいう2歳レベル位でしょうか?
だれが、どうしたという主語・述語を簡単なセンテンスで言える位です。
ピアノは何度言っても楽譜が覚えられず、全然ダメでした(笑)
でも、歌の方がとても得意で、音感があり音が外れないので4歳でカワイのうたのコンクールに出場し、入選をもらいました。
公文も全く好きではありません。
興味のあることはあんなに覚えているのに、好きでないことは100回教えても覚えられないような気がします。
やはりこういうところ、グレーですよね。
でも、親としては「好きなこと、得意なこと」を見つけてあげられたらいいと思っているので、苦手なことを伸ばすより得意なことを探す方に力を入れるべきだと思っています。
そして現在、4歳の娘
相変わらず目を合わせるのが苦手
でもこれまでだいぶ言い続けたら見れるようになってきました。
目を見て!といっても、1秒しか見れなかったけど、今はしばらくみていられます。
カメラも同じで、なかなかレンズを見ることができませんが、ちょっとはみれるようになりました。
怖かったそうです。(なぜかはわからないけど)
夫も小さいころ目を見なさいってよく言われたと言っていました。
彼はジーっと目を見るのですが、「見ろ」と言われたから「見てるだけ」だそうです。
でも、目にいろんな表情があるとかはわからないそうです。
耳掃除を嫌がらなくなった
多少感覚過敏なところはありますが、耳掃除を泣いて叫んで嫌がることはなくなりました。慣れてきたのでしょうか?
幼稚園で友達と仲良く遊んでいる
元々とてもやさしい子ですし、お友達とごっこ遊びするのが大好きなようです。
でも、私が見ていてやはり空気を読むことが苦手で、相手がなぜ怒っているのかを理解するのが少し難しいようです。
女子トーク、みんなとの会話に入れない
これは夫もそうですが、みんなで話している時にその話を全く聞いていないんですね。
4歳にもなると、親たちが話している話に興味を持ち、そこに入ってくるようになるのですが、うちの娘は本当に全然聞いていないし、何の話をしているのかわからないそうです。
名前を呼ばないと耳がこっちに意識が向かない印象です。(アスペルガーの夫と同じ)
女子トークができないと、思春期に大変なことになる!と思って今特訓中です(笑)
具体的には
「今、みんなはどんな話をしているんだろう?と思って聞いてみてごらん。」
としょっちゅう促しています。
でも、今のところ成功したことはありません。
2人で会話する分には全然普通に女子トークできるんですけどね。
人が多くなると、急に意識を向け続けることが難しくなるような印象です。
※先日、ママ友たちと話していたら、急にそれを聞いていて初めて話に入ってきましたんですけど、嬉しくて泣きそうになりました。(笑)
顔を覚えるのが苦手
0歳から遊んでいるお友達の顔と名前を一致して覚えることが未だにできていなくてあやふやです。
ここ、ちょっとグレーというか濃いグレーになってますね、私の中で。
日頃から遊んでいる友達なら覚えているのですが、あまり合わなくなるとすぐに忘れてしまいます。
夫は完全に人の顔は能面をかぶっているように見えると断言していて全く覚えられない人なので、娘も引き継いでしまってますね。
まとめと、子育てであえて実践していること
まだ娘が小さかったころ、あの子の最終目標は「おしゃべりができるようになること」でした。
意思疎通ができなくて寂しかったあの頃、目を見て笑い合っている周りのママたちが羨ましくて仕方なかった。
そんな中、私が決めた娘との目標。
それはもう叶ったんです。
だから、もうなにもいらない。
子育ての苦しみも、夫とのことも、求めるから苦しいんだと嫌というほど味わってきました。
だから、私はもうもっといい学校に入って欲しい、優秀な人になって欲しいとは思わないようにしよう!!と決めています。
あとは、あの子が生きていきやすいようにサポートしていくだけ。
”言葉通り受け止めてしまう”特性を持っていても持っていなくても、子供が母から愛を感じたいのはどんな子も一緒だと思っているので、
毎日、どんなに怒っていても
どんなに喧嘩していても
そんな気分じゃなくても
夜寝る前には必ず「あなたのことが本当に大好きだよ」と言葉に出して、ハグして伝えています。
…4歳でまだまだ大きくなったとは言えない年ではあるのですが、ご参考になれば幸いです。
私を救ってくれた本
娘が0歳2か月の時から発達障害の子の特徴を勉強していったわけですが、どうしてこのようなことをするんだろう?というのが興味の対象でした。
”目を合わせたくないのはなぜ?”
”どうして人の声が聞こえないの?”
疑問はどんどん膨らんでいたけど、娘から話を聞くことができなくてもどかしかったのです。
そんなとき見つけた本がこれでした。
この本はとても興味深く、そしてわたしの心を癒してくれました。
周りから見てると変わって見えるけど、本人の中身はちゃんと理由があって、行動に出ているんだなと理解できたからです。
もし今あなたが自分の子がグレーかも?と悩んでいたら、本当にこれはおすすめです。
我が子をもっと愛おしく思えて、自分にとって特別な存在なんだと改めて思うはずです。
今子育てしているママ達が、毎日ニコニコ楽しく過ごせますように!!