違和感なんて、最初からだった。
よく『何が普通と違うの?例えばどんな事?』って聞かれるんだけど、これが一番難しい。
だって、全部なんだもん。
返事の返し方がおかしいし、表情や態度も失礼すぎるし、普通喧嘩にならないところで喧嘩になる。
でも、それが具体的にって言われると、う~ん・・・ってなる。
普通の家で、そんなのありえない!っていう小さな事が毎回起こるかんじかなぁ?
具体的なやつは、付き合っている時より結婚してからの方が何倍もエピソードとしては強い。
そこまで決定的に行動が怪しいとかロボットみたいな動きしてるとか、そういうんじゃないから見抜くのが難しかったんだよね。
結局結婚しちゃってるし。
でも、結婚してからはすごいから。
お楽しみに(?)
アスペルガーの人は、欲しい相手が手に入ると
モードが”オフ”に切り替わって、
表面的に頑張って普通っぽくしてたものが外れる。
↑これは、私の知る限りほぼすべて!!!今んとこ例外なし(笑)
だから結婚してから気付く人も多いんだよね。
とりあえず今回はデート編(結婚する前)。
アスペルガーのデート編
付き合っているのに独りぼっち
これは今ももちろん変わらないんだけど、初デートからそうだった。
隣で一緒に歩いている感覚ではなくて。
会話もかみ合わないし
人の話聞いてないし。
二人しかいない部屋で、ソファーに座って隣で話してるのに
ほんっとに聞いてなくて、
ひかり『今日さ~、電車ん中でこんな人がいてさ~、めっちゃ見ちゃってどーのこーの・・・・・・・・て・・・シーン・・・ねぇ、聞いてる?』
夫 『え、俺?』
いやいや、私さっきから誰に話してんの?
こんな長い独り言話してると思ってんの?
みたいなことがしょっちゅう。
→名前を呼ばれないと自分に話されていると思っていない。
彼の質問に答えてるのに、その回答を全く聞いていない。
→これ本当によくある。瞬間瞬間がぶつ切りになっている印象。会話のキャッチボールが成り立たない。
車酔いが酷くなって「止まって欲しい」と訴えても、全然止まってくれない。
→彼の中で、「次の目的はここに行くこと!」と決まっているから急な予定変更に対応できなかったんだな。
デート中も
デートが終わった後も
心の距離がとても遠くて
虚しさと寂しさをいつも感じていた。
でも、唯一楽しく話せたのは
- おいしい食事やワイン
- 旅行先で見つけるいろんなもの
- 彼の興味のある”マニアックな動物”の話
だったかな。
表面的な、『おいしいね』とか『きれいだね』なんていう感想は言えるので、少しでも”共感”したかった私はとにかくおでかけがしたかった。
人が見ている時だけジェントルマン
お店の店員さんや、もう二度と会うことのない他人によく思われようと、私をエスコートする。
二人でいるときはケチなのに、店員さんが来ると大盤振る舞いして見せたり。
二人でいるときは開けないドアも、他の人が見ていると開ける。
でもこれは、付き合ってるときよりも結婚してからの方が顕著で酷い(笑)
→付き合う前は「私」に対してジェントルマンだった。
付き合ってしばらくすると「他人に素敵だと思われる俺」の為のジェントルマン。
そして、結婚してからは完全にそのスイッチが切れ、唯一するのが「夫の職場の人に見られる時だけ」、私をエスコートする。
ジェントルマンでもなんでもない、ぺらっぺらのエスコートだ 😈
デートは、いつも誰かに見られるためのお飾りな私。
私ってなに?といつも思っていた。
一緒に寝ていてもHしたいときじゃないと優しくしてもらえなかった。
隣で寝てるのに、『寒い』っていっても自分の陣地(笑)に毛布を確保して、見向きもされなかった。
→とにかく人に興味がない。「寒い」だけじゃあ「そうなんだ」と思うだけなので、「寒いので毛布をもう少し分けてくれたり、くっついてもらえる?」と言えばよかったのか。でもそれでもきっとハイハイとめんどくさい返事をするだけなんだろうな。目に浮かぶ(笑)
目的がないと、頑張らないと、優しくできないんだな。
何かをしてあげたいとか
思われたことなかったな。
寂しくて本当によく泣いてた。
恐ろしく金銭感覚がない
いろんなアスペルガー夫の話を聞く限りでは、浪費癖のある人(計画性をもてない人)の方が多い気がする。
うちもその一人。
ある日、旅行先での出来事。
『ちょっと魔法のお金作ってくるわ』といって車を降りた彼。
…しばらく待っていると、コンビニからるんるん♪と帰ってきた。
このやり取りがこの旅行中に3度もあって。
「魔法?作ってくる」って何?
と思い始めた私は彼を問いただした。
彼は、銀行口座からお金を引き出していたのではなく、クレジットカードで現金を前借していたのだった。
これに違和感をもった私が問い詰めると、
夫 『あ、大丈夫だよ。普通のクレジットカードと一緒だよ。次の月に返せばいいんだから。』
あっけらかーんとしている。
ひかり『そうなの?ならクレジット払いにすればいいじゃん。』
夫 『・・・』
なんか怪しいと思った私は更に問い詰めた。
吐いた決定打になった言葉はこれ。
ひかり『怒らないから言ってみ』
子供か!!!(笑)
結局、彼はリボ払いで返す契約をしていて、その額60万円にまで膨らんでいた。ギャンブルは全くしていなくて、ただ毎月何となく足りなかったり、欲しいものが高かったりするとクレジットで買っていたらしい。
※リボは毎月5000円とか少ない額を払い続けて高い金利加算されながら少しずつ返していく返済方法。
ありえない!!
…と思ったんだけど、
『もうこんな計画性なくお金引き出しまくってる人と付き合えない!あと3か月以内に全額返済しなかったら別れるから』
と、スパルタな提案と指示を細かくしたら3か月後には見事借金を完済した。
そもそも実家暮らしでお金は1円も家に入れていなかった彼。
給料丸々自分の遊びに使えるのによく60万も借金したなと思ったけど、お金の使い方のルールを決めたら忠実に守るからその時はとても不思議だった。
・デート代は2万円まで
・自分のお昼代は一日500円まで とか。
この頃は、なんて素直な子供のような人なんだろう?
危機感は無いし、もしものためにとか考えられない人だけど、言えばしたがってくれる人なのかな?と思った。
もし過去に戻れるなら、なんでもプラスに考えていた私に「本気で説教」してやりたい(笑)
誰かから聞いた言葉をリピートする違和感
これは本当に何度もあった。
明らかに今あなたが思った言葉じゃないでしょう?
っていう言葉をそれらしい時に我がもの顔で言うやつ(笑)
ずっとその違和感があったんだけど、確信に変わった出来事があった。
ある日、私の仕事仲間の女の子が離婚した。
その時の旦那さん一家の対応がひどくて、それを夫に話した。
ひかり『…その旦那さん、すごいDVしたくせに、後は弁護士を通してください。全部そちらで対応させますので。って彼女に言って家追い出したらしいよ。ひどいよねー!』
そしてこの言葉をずーっと大事に頭の引き出しに入れて、いつか使ってやろうと思っていた彼は
ひかり『婚約を破棄したい!もういやだ、こんな結婚したくない!』
といった私に言い放った!
夫 『慰謝料払ってもらいます。後は弁護士を通してください。全部そちらで対応させますので。』
つ、ついに・・・
キターーーー!!!(笑)
いい事悪い事含め、彼の頭の中に名言集みたいな引き出しがあって、それをここぞというときに出してくる。
多かれ少なかれそういうところは誰しもあるのかもしれないけど、夫に関しては頻繁すぎるのと、使う場所もイマイチで違和感満載だった。
「こういう時はこうやって食べるのがおいしいんだよ。」とか
「イタリアンを食べる前の食前酒は必ずこれなんだ!」
みたいな面白いこだわりがあって、それをかっこいいなーと思っていたのに、全て彼のお父さんのまねっこだったと知ってガックリ来たのも名言集ストックに気づいたころかなー?
なんか、この人全然自分があるようで無いんだな。
ぺらっぺらだなと思った・・・ごめんよ(笑)
相談しても極論のアドバイス
これは今も昔もずーっと同じ。
子供ができようが、変わらない。
ちょっと、サイコパスなんじゃね?と思ったりもするほど
残酷なアドバイス(笑)
会社の人のこと、友達のこと、ママ友のこと…
みんな、私の立場や状況なんて無視した極論。
そこに共感なんてない。
ただ、攻撃する。
そして私が泣きながら
ひかり『そんなこと言って欲しいんじゃない!』
って反論すれば、
夫 『ひかりちゃんは俺のすべてを否定するよね』
って余計に攻められて、相談した相手である彼に滅多打ちに攻撃され、ズタボロになっていた。
それに夫のアドバイス通りやってたら、今頃私何度もつかまってるよ :evil
そして私の変化
よくわからないけど突然切れられるから
ずっと気を使ってた。
いつもお前がおかしいと彼から言われ続けて自己評価が恐ろしいほど低下した。
私は笑顔がなくなりいつもしかめっ面をするようになった。
口から出る言葉はいつも彼の愚痴ばかり。
でも、友達や家族から
『みんなそうだよ。男なんて同じだよ!』
って言われると、違う!!全然違う!誰もわかってくれない!と思ったし、
『そんなのありえないよ、そんな男別れちゃいなよ!』
と言われてその気になって別れ話持ちかけても
毎回本気で泣かれて、「悪いところは治すから!」って言われて
本当に悪い人ではないんだよなぁ。
いいところ・魅力的なところだってたくさんあるんだよなぁ。
って思ってしまって
もう身動きが取れなくなっていた。
自分で考える力を無くしていたように思う。
そして母にも親友にも
『ひかりがひかりじゃなくなっていく』
と言われて泣かれた。
私、DV被害者みたいだなーと自分でも思った。
それでも、付き合ってるときはまだ私も頑張ろうとしていたし、おちゃらけて見せたり冗談言ったりして。彼も別れたくないから本人なりに頑張ってて。
まだ楽しいこともあった。
そして私が何度も別れたいと言っても、絶対に別れてくれなかった。
家の前で夜中ずっと待ち伏せされたり、手紙を毎日ポストに入れに来たりして
とにかくわたしへの執着が凄すぎて、もうこの人からは逃げられない。
そう心の深くから思ったのが結婚への決め手になった。
まとめ
最初から、とにかくいろんなことがかみ合わなかった。
それでも、この頃はまだ楽しかったこともあったんだろうと思う。
悲しいことに、思い出せないんだ。
結婚後しばらくして”夫に関する記憶だけが思い出せなくなる”ようになり、それ以降頭の中にモヤがかかるようになってしまって。
この記事を書くために過去のメール読んだり、日記を見たりして書いてみたけどこの頃のことはあまり記憶がない。
とにかく、寂しかったりムカついたり意味わかんなかったりしてよく泣いたり怒ったりしていたのは覚えている。
あの頃、彼がアスペルガーだと知っていたらどんな風に彼を受け止め、どんな決断をしていただろう。
私は結婚した後、彼がアスペルガーかも?と思ってがむしゃらにいろんなアスペルガーの本を読んだけど、どれも専門家の箇条書きな感じがして、現実味ゼロだった。
もし今あなたがアスペルガーのパートナーに悩んでいたら、読んでみて欲しい一冊がある。
私は、本人がどうしてこんな行動を起こすのかとても知りたかったから、それを具体的にコミカルに教えてくれるこの本に巡り合って救われた事が多々あった。
どうしてこう考えるのか、本人どう思っているのか、それはアスペルガー本人じゃないと全くわからない。
だって、宇宙人みたいなんだもん!
私たちとは思考回路が全然違うんだもん。
うちの夫も結構分析して解説してくれるけど、論理的にわかると面白い。
思考回路を知ると、許せることも増える。
中古でも、もし友達が持っていたら借りてもいいと思う。
今苦しんでいるあなたを少しでも救えるものがあるなら活用すべきと思うから。
私からのおすすめの一冊。