「大丈夫?」と言われているのに寂しい理由~パターン記憶で心は伝わらない

アスペルガーの夫(診断済み)に離婚を切り出し、彼が何とか離婚を食い止めようと全力で頑張り始めてから37日が経ちました。

徐々に、あのやる気満々だった感じは薄れ、少しずつまた仮面が取れてきました(笑)

言葉が強くなってワーッと言われ、私がもう話したくない!と部屋に閉じこもると、仕事場から反省と改善点と言いたかったことをまとめたLINEが送られてきたり。

 

そうはいっても今の所、まだそこまで心にダメージが来るほどの事は起きていません…

 

が!!!

 

こうやって夫が頑張るようになってから、今まで薄々思っていた一つの事が解明したり気になったりしてきたのでここに記録しておきます。

 

義父、やたらと「どうしたの?」「大丈夫?」と連呼していた理由

ちょっと話は飛びますが、義父に出会った頃から何度も何度も言われて嫌な気持ちになっていたこの言葉を思い出しました。

何でもなくただ歩いているだけなのに、3メートル位先をスタスタ歩いている義父が突然振り返って超真顔でぶっきらぼうに

「大丈夫?どうしたの?」

と聞くのです。

聞くというか、ただ言っているというか。

私はいつもは?何が?と思っていたのですが、正直喧嘩を売られているのかな?と思うほどで毎回イライラしていました。(もちろん、顔にも態度にも出さず。笑)

アスペルガーというものを知る前は、言葉の裏の意味を考えてムカついていました。

 

何なの?歩くの遅いっていう事?

もっとニコニコしてろって事?

何が大丈夫なの?

意味わかんない!!!

 

だって、優しい感じで聞いてくるわけではないんですもん。

 

私が具合悪い時にも、一応は聞いてくるんです。

でも、一方的に「大丈夫?」というだけで、私の回答は聞いていないww

「ふーん」っていうか、話をかぶせて別の話をしてくるか。

 

この人一体なんなの?ってずっと思っていました。(義父のエピソードはこちら)

義父もアスペルガーなんだと知ってからは、一応彼なりに何かを心配しているつもりなんだなとは理解しました。

でも、今回夫が死ぬほど頑張ってる中、この「大丈夫?」を連呼されるようになり、寂しさが溢れてきてしまうのです。

確かに、心配する言葉は「大丈夫?」です。もちろん本にも書いてあるでしょう。

でも、心が感じられない「大丈夫?」は余計虚しくて、やっぱり独りぼっちなんだなぁと痛感してしまうのです。。。

 

基本的には人に興味がないので「言葉のみ」になる

実はここ2週間ほど、私は珍しく風邪を引いてずっと具合が悪い状態でした。

朝起きるとマスクをして咳をしていたり、鼻水をかんでいる私をみて、夫が声をかけてきます。

「どうしたの?大丈夫?」

と。

毎朝、まるで初めて風邪を引いているのを見たかのように「どうしたの?」って・・・

そして、「いや、ずっと具合悪いんだけど」と毎朝私が言うと、「可哀想に」というおきまりの定型文。

そして彼の任務は終了!スッキリ!みたいな(笑)

この、夫が「可哀想に」という時の顔を表現したい!!!

( 一一)←こんなやつ。心なんてこもっていません。

というか、私の回答なんか聞いてないですw

 

え?うち、老夫婦なの?ボケたじーちゃんいる?って思うほどこれ毎朝やってるんですww

 

先日は、「熱あるの?」という新ワードが出ました。

「熱あるよ。38.3度だよ。」と答えたら、「可哀想に」・・・満足、はい終了!!!

さすがです(笑)

ここ以上のパターン記憶がなされていないんでしょうけど。

 

熱がある→「幼稚園送っていける?大丈夫?何か買ってこようか?」にはもちろんならず、ただ聞いただけ。

それを聞いていた娘が、「ママ大丈夫?じゃあパパ、ママお熱があるからパパと一緒に幼稚園行こうよ!」と提案してくれました(涙)

それを聞いた夫は、「えー、急に言われてもなぁ。時間がないなぁ。でももっと早く言われればやったんだけど。うーん、でもじゃあいいよ、タクシーでいく?」

めっちゃ行きたくなさそう(笑)

もちろん、大丈夫だよ、ママ行けるよと言って私が行きましたけど。

 

自分から聞いたのに、熱があると聞いてもだから何かをしようとか、それ以降の言葉をいうというアイディアが全くないんですよね。

なら聞くなって思っちゃうけど、そこはやっぱり先生に言われたのか、本に書いてあったのか・・・

 

とにかく、なんというか・・・俺は任務遂行してます!みたいな「大丈夫?」に無性に悲しくなるんです。

これ、読んでる人はほんっと細かいなぁと思うだろうな(笑)

なかなかうまく表現できないんだけど。。

心がこもっていないけど、一応定型文を言っているというのを悟られないようにするのって、難しいんですね…;;

 

言われなくても悲しい。

言われても悲しい。

どーすりゃいいんだ!!!><

 

夫に伝えるも大混乱

今朝、いつものように「どうしたの?大丈夫?」から始まるルーティーンと、「熱あるの?」→「可哀想に」という言葉のみのやり取りに加えて「今日は夜遅いからご飯いりません」と言われ、私がイッラー!!としてしまい、ついに言いました。

「あのさ、私はもうここ2週間ずっと風邪ひいてるんだよ。『どうしたの?』ではないよね!!??そして、熱あるの?って聞いて、あってもなくてもどうせ「可哀想に」と言って何もしないんでしょ?

だったらそれは私を心配している言葉じゃなくて、あなたが自己満足している言葉なんだよ!

ひかりちゃんを心配してる俺に。」

 

夫、パニックです。

「俺は心配して言ってるだけなのに。大丈夫?と言ってもダメならもう何も言えない。」

 

いやーそうだよね、そう思うよね…

ごめんよ、あなたは特性を克服しようとしてパターン記憶して頑張ってるのに、私はそれを聞いて余計に虚しくなってしまう。

その裏の気持ちは説明してもわからないだろうな。

はぁ。。。

 

視覚では伝わりやすいので、あとで簡潔にまとめてLINEで伝えないとだ。

 

「大丈夫?」の一歩先こそ、心を伝える手段

私たちは普通、誰かに「大丈夫?」という時は相手の状態が心配で、そこに寄り添って勇気付けたり解決策を提案してみたり、優しい言葉をかけてみたりしますよね?

ただ、「大丈夫?」と聞いて、回答には興味ない感じで「ふーん。」とこんな顔をして( 一一)言われても、???となってしまうでしょう。

 

アスペルガーが基本的に相手にあまり興味が無いのもわかってるつもりだし、パターン記憶して言っているのもわかっています。

でも、きっとカサンドラ妻達に必要なのは、その先の言葉や行動なのです。

 

もちろん、「大丈夫?」は相手に心配を伝える大事な言葉です。

でも、その後の事もパターン記憶でいいからして欲しいと願ってしまう。

贅沢なのかな。。。><

 

心配を伝える、相手に大事に思っている事を伝える「大丈夫?」に、もうひと行動、もうひと言葉付け加えて欲しいのです。

 

  • 妻が今何かをしているなら、「それ俺がやっておくから少しでも休んでなよ。」とか
  • 動けなそうだったら、「飲み物とか食べ物とか何か買ってこようか?」とか
  • 妻がこれからしなければならない予定があるなら「〇〇できる?代わりにやろうか?」とか
  • どうしても自分が出来ないなら「ごめんね、今日は予定があるからできないけど、俺帰ってきたら洗い物とかもできるから今日は家事しないで寝てなね。」とかさ。
  • 具合悪くて大変そうなら「病院いけそう?一緒に行こうか?」とか(うちではあり得ないけどw)
  • そもそも妻の予定がわからないなら「そうか…何か俺に出来そうなことある?何でも言ってね!」と聞いてみるとか。
  • 吐き気がありそうだったら、背中をさすってみるとか。

 

・・・これ、離婚の話の続きだからこのカテゴリーにいれちゃったけど、本当はアスペルガーカテゴリーにしたい内容です。

アスペルガーの人がもしこの「大丈夫?の一歩先」ができるようになったら、妻のカサンドラはかなり軽減されるんじゃないかな?と思うのです。

 

おわりに~伝わらない事と、離れる愛について

少しずつ仮面が剥がれてきている夫に対し、「お、仮面脱いじゃうか?脱いじゃうのか?」とある意味冷静に観察していた私ですが、パターン記憶の中で出てくる弊害というか、寂しさ・虚しさが少しずつ出てきた感じがします。

一応夫なりに心配してくれているようだし、悲しくなる方がおかしいという意見もあるんだろうけど、こればっかりは実際アスペルガーの配偶者と暮らしたことのある人でないと理解するのが難しいかもしれませんね。。。

 

Twitterを初めて、多くの方にブログを読んでいただく機会が出来、とても嬉しく思うと同時に、カサンドラ妻達には当たり前のように通じるこの独特な感覚が、アスペルガーと接した事の無い方に伝えるのはとても難しい事なんだということを再確認・再痛感しています。

 

そして、決してアスペルガーを批判するつもりで書いているつもりではないけど、アスペルガーと接した事の無い方や当事者の方がこれを読むと不快に思ってしまう方もいらっしゃるようです。

本当に、申し訳なく思っています。

 

ただ、私はこのブログを始めたきっかけとして、

アスペルガーの人と近くで接することでなってしまう「カサンドラ愛情はく奪症候群」というものが実際に存在し、この人達がなかなか人から理解されず、専門家たちに助けを求めに行っても逆に追い詰められる現状があり、本当に苦しい思いをしているという自分自身の経験から、同じような人に少しでも寄り添うことが出来たらと思ったいきさつがあります。

ここに同じものがあっても、見る視点によっては全く別の物に見えてしまうことは、この「アスペルガー」に限らず一般的にあることです。

 

カサンドラが細かすぎるように見える人もいるようですが、この違和感を言葉にして伝えようとするとどうしてもこのような「些細な事」を挙げていくしか方法が無く、そう見えてしまうのもうなずけます。

でも、私たち・彼女たちはここに至るまで、大変な苦しみを経験し、のたうちまわり、泣き疲れ、心を無にし・・・パートナーと当たり前のように心を通わせられる人達には到底理解できないような境地にまでたどり着いてしまっているのです。

 

理解できない人がいてもおかしくありません。

むしろ、ほとんどの人が理解できないだろうと思っています。

 

でも、もし理解できなくても、どうかカサンドラ妻達を攻撃しないでください。

おかしい人だなと思ったら、関わらなきゃいいし、口出ししないで離れればいい。

苦しんで苦しんで今の彼女たちがあるのに、その人に自分の意見で論破して何の得があるのかな?と思ってしまいます。

色んな意見の人がいていいと思う。でも、それを苦しんでいる人たちにぶつけたりはしないでください。

 

当事者の方でも、家族の苦しみを何とか取り除こうと、努力されている方も沢山いらっしゃいます。

お互いの努力で家族を作っていくことは、定型だからとか発達障害だからとかそういうのは関係なしにみんな同じだと思っています。

だから私たちもアスペルガーの特性を勉強しています。

でも、それによってカサンドラ妻達が感じた哀しみや怒りを「改善の糧」にできず、「批判されている・攻撃されている」と受け取ってしまうなら、もうその発言をしているカサンドラたちと関わらなきゃいいと思うんです。

嫌なら見なきゃいいんだから。

 

もし、当事者の方がこれを目にして不快に思ったら、同じように当事者にしかわからない苦しみを語り合える場に行ってください。

絶対に、私たちにはわからない苦しみがあるのは事実だと思いますので;;

そしてそっと、その場を去る優しさを持っていただけたら幸いです。

 

 

全世界のカサンドラ仲間たちへ、心の底から愛をこめて。

そして、夫のように頑張って努力しているアスペルガーの人達にも沢山の愛をこめて。

 

 

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

勝手に苦しんだり怒ったり、そうかと思うと何か訴えてみたりしているヘンテコな私にいつも付き合っていただき、本当に本当に感謝しています。

 

この感謝が伝わりますように。

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